FC2ブログ

08月 « 2011年09月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  » 10月

お礼が一人で飛んできた

2011年 09月27日 12:28 (火)

2011年9月末 朝夕めっきり寒くなった朝だった。
タクシーを出庫しようとした時、同僚が後ろから寄ってきて「一ノ宮さん」と声
をかけてきた。・・・

とんぼ

尚、コメントのお返しは拍手欄かコメント欄からしばらく返させていただきます。


・・・声の方を振り向くと前日勤務の同僚が、洗車を終え「一ノ宮さんの彼女を
昨日、乗せたよ」とニコニコ笑いながら近寄ってきていた。

「彼女?」と首をかしげながら念を押すと・・
「そう、彼女!」「どの彼女かな、一ぱい、おるからわからん」と答えると。

「昨日、乗せた客がお宅の会社に一ノ宮さんっているでしょう」
と聞かれ「はい!いますよ」と返事をすると、

「私、2年前、お世話になりました」と言って一ノ宮さんとの怪しい関係を説明
してくれたと言う。その同僚の話によると2人の秘めた関係は・・・
 
花
2011年9月29日

同僚の話を最後まで聞くと、お世話になりましたと言って降りようとした彼女が
片足を地面につけ突然降りるのやめ同僚に一言「ああ、忘れていました。一ノ宮

さんにこれだけはお伝えください」今、新しい彼氏ができバリバリやっています」
と言って降りて行ったと言う。

あれは2年前博多駅前の入りこんだ裏通りビルの谷間の薄暗いところで座り込ん
で泣いていた若い女性がいた。

タクシーを止め後ろドアを開け「どうしたの?」と声をかけると泣きながら乗っ
てきた。西区までというので時間もあるので「苦しかったたら横になっていても

いいし」「はきたかったら車を止めるから言って」と言うと「おじさん!私世の
中がおもしろくない。明日会社、行きたくないやめようかなと思ってるの」と開

口一番、訴えてきた。
「そんなのはどうでもいいと、あんな暗がりでうずくまっていたら車に引かれる

よ」「先月もあの暗がりで無灯火の自転車の高校生が車と衝突、高校生は即死」
「おじさんも現場をちょうど通りかかり目撃したんだけど母親が動かぬ息子の

頭に手をやり、新太郎!起きんね、起きんね、目を開けんね、眠ったらいかん
眠ったらいかんよ、目を開けてーと叫んでいたとよ」

と私が事故の話をし、興味を私のほうに向けさせ彼女の話を聞かないふりをして
即,彼女の耳をこちらへ向けさせた。

「会社やめたいとか、行かんとかじゃ無かろう。どうせ彼氏にふられたっちゃろ
う」と言うと事故の話から彼女の悩みをずばり言ったものだから完全に私の話を


聞こうとする態度に変わっていた。そこでもう一つ度肝を抜くコトバを彼女に発
した。「おめでとう、良かったね。彼氏にふられて!」と言うと・・

「何でおじさん?私ふられたのよ、悲しいとよ」
「だからおめでとう!と言ってるの」

彼女は同情のコトバをかけてもらいたかっただろうが予想もしてなかったコトバ
におどろいていた。

聞く耳をもたせたところで理由を話してやった。
「いいね!あなたみたいなかわいい娘を捨てるくらいだから、彼が浮気したんだ

ろ。別の女性に心変わりしたんだろう」と念を押すと「うん、そう」と答えた。
「だからおめでとうと言ってるの」「どうしておじさん?」

「あのね!もう一度、言うよ。あなたみたいなかわいい子を捨てて浮気するくら
いだから、顔もいいだろうし、心変わりの早い人でしょう。だったら、このまま

あなたとの恋が実り結婚したとしよう。結婚して子供ができ、子どもを置いてあ
なたの元を去ってごらん。もっとみじめよ」

それとも子供かかえておとうさん帰ってーとテレビに出て訴えるね。それこそみ
じめよ」「だから神様がここらで分かれなさいと教えてくれたんだよ」

と言って私は「君のふだん着の こころがいいね!」と言う詩を色紙に書いてや
った、「あなたはこころがやさしくて、いい人だから、きっとすぐ見つかるよ」

と言って渡していたのであった。そのときはもう泣きやんでいた。
その彼女とは2年間、会うことも無かったがお礼のコトバだけが同僚を通して帰

ってきたのであった。会うことはその後もなかったがこうしてどこかがつなっが
っていたのであった。

              タクシー詩人 一ノ宮けんし
スポンサーサイト